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「子供達を守るため女達は立ち上がり、そして座り込む!」
 
 お友だちのシンガー・ソングライター石橋和子さんが、福島のお母さんたちによる行動を、リポートしてくださいました。

 おいらは宮城県に行きっぱなしですが、福島の被爆の問題は一桁ちがう危機、ある意味、手の施しようもないような・・。

 人智を超える放射能の恐怖と戦うことになる住民のみなさんの、その憤りと絶望感、孤立感は想像するにあまりあります。

イージーライダー


「子供達を守るため女達は立ち上がり、そして座り込む!」

石橋ヴィヴィアン和子

 以前ブログでも紹介したことがありましたが、10月27日から11月5日まで、子供達を放射能から守るために経済産業省前に抗議の座り込みをする福島のお母さん達に連動して、それを引き継ぐ形で全国のお母さん達も立ち上がり座り込むという行動に、参加してきました。

 幸い私が参加した日は、この時期にしては暖かく、アスファルトの歩道に座り込みをしても冷えなくて助かりましたが、寒くてお天気の悪い日もあったから、毎日来られた方は大変だったことでしょう。この日は小さな折り畳み椅子を持っていったのですが、並んでいた空いているパイプ椅子をお借りすることができ、快適でした。

 歩道脇の低い植え込みには、お母さん達が作った抗議のメッセージが入ったパッチワークが広げられていて、色とりどりの布に、カラーペンや糸などでカラフルにメッセージが書いてありました。


 座っている間、次々と経産省のビルに向かって訴えかけるリレー・トークは、それぞれ胸に迫るものがありました。6万人の脱原発集会のスピーチで強く印象に残っていた武藤頼子さんも、87歳になるお母様と一緒に福島から来られたとのことで、今度は目の前でスピーチを聞くことができました。

 他にも、文科省に20ミリシーべルト問題で直談判した佐藤さんや郡山市や三春町から来られたお母さん達の、苦しみを搾り出すような声で話される内容は、住んでいる人でなければわからない辛さが生々しく感じられて、今すぐ何とかしなければと胸が痛みました。

 息をするにも 水を飲むにも、ちょっと外に出るにも、四六時中放射能の事を考えなくてはならない場所に、人を住まわせていて良い筈がありません。今でも、毎日154テラベクレルの放射能が放出されているということです。(*「地球の子供新聞」から。テラは1兆倍のこと。)


 放射能以外で気になったのは、立場や考え方の違う住民同士の複雑な人間関係です。不安を感じながらも 黙って自治体や学校の上部が決めた事に従順に従うのか、不安の原因を解消するために 真実と説明を求め正当に話し合いを要求するのか。

 難しい問題だとしても、被爆という同じ悲しみを背負った人同士が対立するのは、そうすることで、本当に責任を負わなくてはいけない人達が、ほくそ笑みながら隠れてしまう事になりはしないでしょうか。

 この図式は、被災地だけでなく、東京でも 日本全体でも 世界全体でも同じ事があるように思えるのは私だけでしょうか。自分の頭で考え、自分の責任で行動する事は、なんて勇気がいる事なんだろうと思いますが、それが出来たとしても、決して誰かに強制するものであってはいけないのでしょうね。

 この日に出会った方達は、その辺のバランスを心得ているようで、個人としての意思が強く感じられる素敵な面構えの方達でした。「座り込み」自体はとても明るい雰囲気で、タフでパワフルなお母さん達の心意気が伝わってきました。


 夕方、バスに乗って福島に帰る女性達を見送ったのですが、お互いに元気な声を掛け合って励まし合うものの、帰る人達の気持ちを思うと、胸が締め付けられるようでした。彼女達は、自分達の帰っていく場所がどれほど危険なところか知っていて、帰らなくてはいけないのですから。しかもそこには、子供達が待っているのです。

 少しシンミリしかけた時、87歳の上品な老婦人が、乗り込んだバスの窓を開けて、ゆっくりと手を振り始めました。「お疲れ様でした。ありがとうございました。」と頭を下げながら、静かに笑ってくれました。ハッとするほど美しく、なんて堂々としているのでしょう。私は思わず、「どうぞ、ずっとお元気で。」と声を掛けていました。

 彼女達は、かの地へ帰って行くというのに、黙って見送るしかない私は、いったいこれから何をすればよいのか、こらえきれないものがありました。マイクロバスは福島まで数時間、せめてホンのひと時、彼女達の心と体を休ませてあげられる場所であることを願わずにいられません。

author:イージーライダー, category:福島・原発事故, 16:10
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