- 東北リポート「東北から関東へ放射能汚染が広がる」
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2018.11.30 Friday
FreeWay☆trash☆30nov18
東北リポート
「東北から関東へ放射能汚染が広がる」
引きつづき「汚染土」の処理について、9月の週刊女性の記事から紹介します。多くの国民が事実を知らされない間に、なし崩し的な放射能汚染がすすみます。地域住民による反対運動が起こっても、日本のマスコミは報道すらしません。
イージーライダー
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住民の反対むなしく進む「汚染土」再利用計画、放射能ばらまきに待ったなし!?
週刊女性2018年9月11日号
http://www.jprime.jp/articles/-/13181
2011年3月11日、東京電力福島第一原発事故が起き、放射能で大地は広範に汚染された。膨大に発生した汚染土は本来、1か所に集めて厳重管理することが欠かせない。
ところが、これを国は持て余し、「最終処分量の低減を図る」という名目で、8000ベクレル/キログラム以下の除染した土壌を、道路や公園、農地などの造成で再利用しようと計画している。さらにはそれを埋め戻す事業も浮上。汚染土を「再生資材」と言い換え、地域住民にすら十分に知らせず再利用するための実証実験がひそかに進められている。
http://www.jprime.jp/articles/-/13181
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- 東北リポート「宮城県民とて原発事故の被害者ですよ」
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2018.11.16 Friday
FreeWay☆trash☆15nov18
東北リポート
「宮城県民とて原発事故の被害者ですよ」
いよいよ宮城県内は放射能汚染処理の壮大な実験場になる。政府の言いなりに県民に向かって「言うことをきけ」と恫喝する知事が、率先して引き受けた汚染廃棄物を消し去りたい。もちろん目の前に積まれた住民も早く無くしてほしい。
そこで市町村こぞって前のめりに処理を競いだした。河北新報によれば「焼却」「すき込み」「堆肥化」とか。そりゃ焼却すれば物量を大きく減らせる。けど気化したセシウムなんかどこへ行く、フィルターの性能も万全ではないようだ。
ならば焼却しないで畑の土に混ぜる「すき込み」か、大量の牧草と一緒に醗酵させて堆肥にするか。いずれにせよ放射性物質がなくなりはしない。土や牧草に混入して含有率=パーセントを下げ、ただちに人体に影響するレベルじゃない?
そんなまやかしが通用する国だから、福島第一からは大気へ海洋へと放射能を放出しつづける。いや実際のところ放出を止める手だてがないのです。すなわち我々の手に負えないことは明らか。そのことを認めないというのは大馬鹿だよ。
汚染物を引き受けるより、宮城県に大量の放射能が降り注いでいることは、だれでも知っています。それを言うと「風評被害をあおる」から黙っている。雄勝の漁師のおばちゃんは「漁はするけど子や孫には食べさせない」と明言します。
イージーライダー
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◎宮城県北汚染廃 それぞれの選択(上)焼却/訴訟、他圏域に影響も
(河北新報11月8日)
東京電力福島第1原発事故の放射性物質で生じた国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の汚染廃棄物の処理に向け、試験焼却などの取り組みが宮城県内で進んでいる。処理方法はさまざまで、県北ではメインの処理が「焼却」「すき込み」「堆肥化」と分かれる。現状と課題を報告する・・
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201811/20181108_13031.html
◎宮城県北汚染廃 それぞれの選択(中)すき込み/400ベクレル以上の処理未定
(河北新報11月9日)
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201811/20181109_11009.html
◎宮城県北汚染廃 それぞれの選択(下)堆肥化/施設候補地選び難航(同11月10日)
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201811/20181110_11021.html
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- ぽっぷす通信「ドイツはどのようにして脱原発に舵を切ったか」
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2018.02.13 Tuesday
□■□ぽっぷす通信12FEB18
「ドイツはどのようにして脱原発に舵を切ったか」
2011年に発生した東京電力福島第一原発の事故、ドイツ政府はただちに脱原発の方針を決定しました。歴史的な決定を下したドイツ連邦政府の諮問機関、メンバーの一人ミランダ・シュラーズさんが来日します。
ミランダさんは2月25日に福島市で講演されます。また福島の高校生たちとエネルギーについて語り合います。この企画は福島の子どもたちのサポートをつづける、NPO「アースウォーカーズ」ほかの主催です。
アースウォーカーズは福島第一原発の事故を受けて、福島の子どもたちを宮崎のキャンプに連れ出しています。また福島とドイツの高校生による交流がスタート、その素直な感性が大きく成長しているというのです。
あきら
▽ ▽ ▽脱原発に舵を切ったか」
あの福島原発事故から7年—。日本は「原発ありき」のエネルギー政策から未だ脱することができません。一方ドイツは、事故後すぐに脱原発へと舵を切りました。わたしたちがこれから進むべき道すじを、「ドイツ脱原発倫理委員会」のミランダ・シュラーズさんにお話しいただきます。
日 時 2018年2月25日(日)
17:30開場 18:00開演
第一部 講演 ミランダ・シュラーズさん
第二部 ディスカッション
「ミランダさんと高校生が語るエネルギーの未来」
会 場 福島市市民会館401号室
(福島市霞町1番52号)
交 通 福島駅から徒歩20分
(福島交通 市内循環バス「附属小学校前」1分)
参加費 無料
主 催 アースウォーカーズ ほか
http://earthwalkers.jp/index.html
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- 「福島から京都へ避難した菅野さんの陳述」
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2015.06.04 Thursday□■□ぽっぷす通信04JUN15
「福島から京都へ避難した菅野さんの陳述」
「原子力は明るい未来のエネルギーではなかった事が、福島の事故で証明されてしまった今、そこから豊かな暮らし、未来や希望、命の大切さは何にも変えられない、変えることができないのだと、私達おとながもう一度真剣に考え、学習しなければなりません。
そして、危険を冒してまでお金を得ようとする姿を見せるより、大切な事、よい事を選ぶ強さや勇気をもって、子ども遠のお手本となれるように、恥ずかしくない生き方を選んでゆきたい。恥ずかしくない生き方を選んで、東電の原発事故の失態をくり返さないで欲しい」
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大飯原発差し止め訴訟・京都での、原告・菅野千景さん(福島から京都へ避難)の陳述
2011年8月末私は二人の娘を連れて、放射能の汚染を避ける為に福島県福島市から京都へ避難しました。
私は仕事を辞めてしまいましたが、夫は仕事を直ぐには辞められず1人福島に残る事になりました。
引越しの荷造りをする時も、「なんでこんな事をしなければならないんだべね、誰のせいだべ、誰が悪いんだべ」と、こみ上げてくる思いに潰されそうになり、泣きながら置いてくる荷物と運び出す荷物を分けていました。
避難を決定するまでに私達の考えられる最大限の範囲で、避難するかしないか、両方のリスクと良い点を考え話しました。どんな艱難があっても支え合って乗り越えられるように、家族で確認することが大切だと強く感じたからです。
出発の日、夫に見送られ郡山から京都府の運行する高速バスに乗りました。
普段泣いたことのない夫は顔がくしゃくしゃになるほど泣き、子ども達もバスの中でしゃくりあげて泣きながら京都へ向かいました。京都へ来てから私達は毎日電話で話しました。子ども達は「お父さん大好きだよ、無理しないでね」と父親を気遣いました。
政府や行政が人々にとって良い事も悪い事も正直に情報公開しなかった為に、翻弄させられ、傷つけ合うご家族もありました。
我が家はそんな原発事故の二次被害を避ける為に、互いに心配をかけないようになどと考えない事、嬉しい事も辛い事も何でも話そうと約束しました。私達は弱い人間です。こんな大きな困難など担いきれるはずなどありません。離れている距離を縮める為に何でも話すのは、信頼も強くなり、大切な事でした。
避難生活の中で子ども達の気持ちが落ち着くようにと、もう一度原発が事故を起こすことのないようにと心から願いました。今も同じ思いです。
避難してから子ども達はとても怯えていました。夕方買い物に出かけ薄暗くなると、つないでいた手を更にぎゅっと強く握り、私の手に爪の跡がつくほどでした。「お母さんはずっと一緒だから大丈夫だよ、と言って優しく手をにぎってあげました。
関西弁の授業ではわからない事もあり、教科書も違った為、追い付くのに娘達は一所懸命頑張りました。
私は一変してしまった暮らしの中で少しでも落ち着つくように、汚かった借り上げ住宅を綺麗にし、まずは環境を整えました。(つづきは↓クリック)
- 「原発避難者を見捨てる方針が次々公表される」
- 「福島原発2号機:ベント時、配管途中の安全装置が作動せず」
- 東電の原発慰謝料「18年3月分まで」
- 「区域外も高速無料に!原発被害者支援の具体化を求める院内集会」
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2012.09.06 Thursdayみなさま、東京災害支援ネットの滝沢と申します。明日、下記の院内集会を開催します。ご関心おありのみなさま、ぜひどうぞご参加ください。「区域外も高速無料に!原発被害者支援の具体化を求める院内集会」のご案内
日時 平成24年9月6日(木)10:30〜12:30
場所 衆議院第1議員会館 多目的ホール(1階)
<ロビーで入館証を配布します>
内容 福島原発被害者(避難者)の訴え
「避難者アンケート調査」の結果報告
政府に対する具体的支援策の要望
参加国会議員の発言など
主催 福島原発被害者(避難者)有志
東京災害支援ネット(とすねっと)とすねっと事務局〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43-14 SK90ビル302森川清法律事務所内 電話:080-4322-2018
福島原発事故から約1年半。避難の長期化により避難生活は厳しさを増しています。特に、避難等の指示が出ていない地域からの避難者(区域外避難者)は、生計維持者を地元に残し、母子のみが避難しているケースが多く、二重生活による生活費増に加え、週末の家族再会を支えていた高速道路の無料措置が打ち切られ、家族の存立までも危うくされています。
今年6月には「原発事故子ども被災者支援法」が全会一致で成立しましたが、具体的な支援策の実施には基本方針の策定と予算化が必要です。支援対象地域を幅広く設定し、基本方針の策定を急ぐことはもちろんです。さらに、「高速無料」等の重要な支援策は、支援法の枠組みにとらわれず、どんどん前倒しで実施しなければなりません。
そこで、原発事故被害者・避難者の皆さんの声を届けるため、福島原発被害者(避難者)有志と避難者支援ボランティア団体「とすねっと」が合同で、下記のとおり院内集会を開催することと致しました。黙っていては、腰の重い政治は変わりません。原発事故被害者・避難者に対する支援を具体化するために、みなさんで声を上げましょう。多くの原発被害者、避難者、災害ボランティア、市民、国会議員、地方議員政府・自治体関係者、報道機関関係者、ジャーナリスト、法律家のみなさんのご参加をお待ちしております。集会では、8月にお願い致しました「避難者アンケート」の結果もご報告致します。遠方・所用などで参加できない原発被害者の方についてはメッセージの代読等を考えておりますので、とすねっと事務局までお手紙またはFAX(03?6913?4651)でメッセージ(避難元・避難先・性別・年齢・お名前もお願いします。匿名の場合は、その旨を明記してください。)をお寄せください。会場で代読致します。とすねっとツイッターhttps://twitter.com/tossnetとすねっとフェイスブックhttp://www.facebook.com/tossnet
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滝沢 泰子 (たきざわ やすこ)
takizawa.yasuko@nifty.com
090−1120−9209
滝沢泰子事務所
〒132−0035 東京都江戸川区平井2−24−3
電話03−5609−8111
FAX03−5609−8112
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- 除染作業への参加を考えているボランティアの方に知ってもらいたいこと(案)への意見書
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2012.04.26 Thursday福島に寄り添う円卓会議 様2012年4月26日
除染作業への参加を考えているボランティアの方に知ってもらいたいこと(案)への意見書
患者の生活・就労をつむぐ会 代表 山本 創東京都練馬区旭町2-9-4 サンビレッジ光が丘C-101日々の取り組みお疲れ様です。私達患者の会では、患者の孤立化、晩発性の癌等の健康被害等を防ぐために、事故当初より、福島県内で聞き取り調査や、放射線リスクの高いお子さん等の避難・賠償支援等をしてきました。当会では震災以前から癌等で若くしてお亡くなりになった方、長期の闘病生活を続ける方々等の相談も受けており、厳しい現状を知る立場からも、慎重にも慎重をきした放射線防護等を求めております。当会では以下の点についての検証等が不十分なままボランティアが除染作業に携わることについては今後の訴訟等禍根を残しかねず、反対しております。ゴールデンウィークを前に、十分な情報提供がないまま参加されようとしている方々への注意喚起も含め以下の確認、検討を早急にお願いいたします。
1 以下、除染の安全性の検証、放射能の情報開示が不十分である。
1)除染中にも相当に粉じん等が舞っている。除染による内部被曝の対策も含め、各種除染方法における除染前、除染中、除染後のダストサンプリングの情報を公開すること
2)放射能の移動、凝固(南相馬1キログラム当たり約108万ベクレルを凝固物)、再飛散(1日換算で1110Bq/m2にもなる定時降下物等)がおこっており、行政がおこなっている空間線量を超える箇所の除染も行われているのではないか
3)プルトニウム(少量でも直接肺、リンパ等に吸い込むと危険)の拡散データの情報公開、測定が十分にされておらず、知らないまま除染に携わっている
4)3号機のMOX燃料を含め、各原発、森林、焼却場等からの飛散、再飛散している放射能データの検証が不足している。
2 除染費用は東京電力の賠償対象にもなり、人件費も出る。あえてとボランティアして入ることの検証が必要。
除染費用は東京電力の賠償の対象にもなった。国も除染費用を補助している現状では、ボランティアではなく雇用として対応できる現状となっている。雇用であれば、地元の方々の雇用対策、健康被害等への雇用保険の対応も可能となる。このような状況であえてボランティアで入る理由はなにか。雇用、賠償への影響、ボランティアの中立性の確保等も含め慎重な検証が必要である。
3 除染の効果検証が不足している。
チェルノブイリでは大規模除染を断念等の新聞報道が4月25日されている。政府の除染モデル地区の効果検証でも、除染効果、再飛散等の十分な検証が必要となっており、今後の除染の方針も不透明になってきている。そのような中でボランティアが先行し、実施することの検証が必要である。
4 浪江町等、新たな移転への動きと除染との関係整理、検証。
浪江町等では若者等が中心となり、集団移転等もすすめられており、他の地域を含め、新たなモデルケースとして注目、期待されている。事故当初より出ていた移転案が除染の効果等を期待したこと等により、遅れる一つの要因となった経緯もあるのではないか。除染中の粉じん対策も含め、まずは安全な場所に移れることも選択肢として確保してから、除染等で安全になってから帰還することが徹底されない理由に除染がならないように留意し、丁寧な検証も必要となっている。避難が遅れ、被曝が進んだのであれば、今後の訴訟等の争点にもなりかねず、慎重な対応が必要ではないか。
5 意見の一致している点、賛否両論がある点等を明確に分けた表記が必要ではないか。
(案)がまとめられている中で、章によっては、意見の一致しているところ、賛否両論あるところがある。除染方法、除染のチェックポイント等の記載等については、これをクリアすれば除染ボランティアを認めることにもなり、団体名の記載を含め慎重な対応が求められる。文章中に意見の一致している章、賛否両論ある章とを分け、団体としてのスタンスもわかるような記載、配慮が必要である。
6 ボランティア募集団体が責任をとれないことの参加者への事前説明責任。そもそも最低限の安全確保、責任がとれないボランティアを募集してはならないのではないか。
ボランティア保険では放射能の健康被害等には対応しておらず、除染を主たる活動としてボランティアが対応できる環境となっていない。又、保険だけでなく、ボランティアを呼びかける団体の責任として、最低限の安全の確保、説明責任が求められる。例えば、「放射能被害による健康被害、晩発性の癌等においては、ボランティア保険でも対応しておらず、当団体としては一切責任を負いません。ボランティアの自己責任でお願いいたします」等の事前説明責任、情報提供義務等が考えられるが、そもそも最低限の安全確保、責任等がとれないのであれば、ボランティアを募集すべきではない。当会としては、アスベスト訴訟のように、患者側に立った健康被害の訴訟等についても想定外とすることはできない。訴える側、訴えられる側もともに不幸になる結果は誰も望んではおらず、慎重にも慎重を期した対応を求める。
- 東北リポート「福島県、一般住民の最高被爆は14.5ミリ」
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2011.12.14 WednesdayFreeWay☆trash☆14dec11
東北リポート
「福島県、一般住民の最高被爆は14.5ミリ」
先日ご紹介した福島県民の被爆に関する調査、放射線業務に従事する住民を除く数値を発表、例によって「この値なら健康に影響ない」というが・・。イージーライダー
◎外部被曝 住民最高14.5ミリ 福島県が推計値東京電力福島第一原発の事故による福島県民の外部被曝(ひばく)線量について、県は13日、1727人のうち、原発作業員ら放射線業務に従事していない一般住民で、最高の被曝線量は14.5ミリシーベルトと発表した。全体で最高の37ミリシーベルトは、行動パターンから原発作業員とみられる。また、18の避難行動別の被曝線量の試算結果も公表した。外部被曝線量の推計は、全県民約200万人を対象に今後30年以上、健康への影響を見守る際の基礎データとなる。事故後4カ月間の合計で、自然放射線量を引いた。対象は、比較的、空間線量が高く、健康調査で「先行実施地域」の飯舘村と浪江町、川俣町(山木屋地区)の1727人。このうち138人が、原発作業員や放射線技師といった「放射線業務」に従事経験があると回答した。これらの138人を除いた1589人の外部被曝線量は、1ミリシーベルト未満が一番多く63%、1ミリシーベルトが23%、2ミリシーベルトが8%など5ミリシーベルト未満が97%を占めた。5〜10ミリシーベルトは38人、10ミリシーベルト以上は4人だった。年齢別の線量に差はみられなかった。結果は年内に個別に郵送で通知される。18歳以下の約36万人が対象の甲状腺の超音波(エコー)検査は、これまでに約1万1500人が受けたと報告された。生涯にわたり、甲状腺がんの有無を調べる。県民健康管理調査検討委員会座長の山下俊一福島県立医科大副学長は「この値からは健康影響はないと考えられる。ただし、放射性ヨウ素の影響はわからず、甲状腺検査など県民の健康を長期間、見守っていくことが大切」と話した。県は、外部被曝線量の推計結果がまだ出ていない県民が、線量の大まかな目安として使えるよう、原発周辺から県内外に避難する18通りのパターンを想定した外部被曝線量の試算も公表した。滞在の場所や期間で0.18〜19ミリシーベルトと開きが出ている。県のホームページで公開する。(林義則、大岩ゆり)朝日新聞12月13日ブログ@移動支援フォーラム
- ぽっぷす通信「報道写真家・福島菊次郎」
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2011.12.10 Saturday□■□ぽっぷす通信 10DEC11約65年前、広島を撮った写真家は福島を「最後の仕事」に選んだ。被爆者や「軍事大国・日本」を克明に写した報道写真家・福島菊次郎さん(90)が東日本大震災で被災した福島県を取材し、「遺作集」を作る準備をしている。福島さんの姿を追った映画の制作も進んでいる。福島さんは震災前から「原発と原爆は同義語。事故が起きれば核戦争にも匹敵する被害が出る恐れがある」と、著書「写らなかった戦後 ヒロシマの嘘(うそ)」などで警鐘を鳴らしてきた。これまでに胃がんや前立腺がんを病み、体重は37キロ。その体で9月、約半世紀使い込んだニコンFなど2台のカメラを持ち、津波に押し流された墓石が集められた南相馬市を、何度も転びながら撮影した。福島さんと25年来の交流があり、被災地で取材を続ける写真家の山本宗補さん(58)が道案内をした。
- 東北リポート「福島県民の外部被曝、最高37ミリシーベルト」
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2011.12.10 SaturdayFreeWay☆trash☆10dec11
東北リポート
「福島県民の外部被曝、最高37ミリシーベルト」
初めてと言っていい本格的な住民の被爆調査です。平均で1ミリシーベルト強というのは小さくない。この線量のなかで子育てしたいかどうか考えてみれば、政府の示すガイドラインに従う気にはなれません。 イージーライダー
◎外部被曝、
最高37ミリシーベルト 福島住民調査で推計
東京電力福島第一原発の事故による福島県民の外部被曝(ひばく)線量について、住民約1730人の推計値が最高37ミリシーベルト、平均1ミリシーベルト強だったことが県の解析でわかった。今回の対象は、飯舘村など比較的、空間線量が高い3町村の住民だが、約半数の住民が4カ月間で平常時の年間限度1ミリシーベルトを超える被曝をしていた。住民の外部被曝の実態が判明するのは初めて。県は近く結果を公表し、本人に郵送で連絡する。推計値は事故後4カ月間の外部被曝線量の合計で、自然放射線量を引いた値。内部被曝を考慮しても、がんなど健康影響が出るのが明らかな100ミリシーベルトに達した人はいないとみられる。ただし、低線量被曝の健康影響は十分解明されておらず、県は長期的に健康を追跡調査していく。国連によると、チェルノブイリ原発事故による避難民の外部被曝は平均20〜30ミリシーベルトで、甲状腺がん以外の健康被害ははっきりしていない。外部被曝推計線量は、全県民約200万人を対象に今後30年以上、健康への影響を見守る調査の基礎データとなる。県立医科大と放射線医学総合研究所が独自のソフトで推計した。今回の対象は、県民の健康調査で「先行実施地域」に指定された飯舘村と川俣町(山木屋地区)、浪江町の住民約2万9千人の中の約1730人。原則として推計に必要な行動記録が明確で、県への提出時期が早かった順に解析した。この結果、約半数の住民が1ミリシーベルト未満。残りの大半は1〜5ミリシーベルトだった。5〜10ミリシーベルトは約40人、10ミリシーベルト以上は約10人。最高は約37ミリシーベルトだった。線量の高い人は、空間線量の高かった避難区域や、プルーム(放射性雲)の流れた地域での滞在時間が長かった可能性がある。国際放射線防護委員会が勧告する平常時の市民の年間被曝限度は自然由来と医療被曝を除き、1ミリシーベルト。環境省も国の予算で除染する基準を年1ミリシーベルト以上に定めている。推計では、各自で記入してもらった行動記録を基にした。事故の起きた3月11日から2週間分は、滞在場所を屋外、屋内、移動中にわけて分刻みで記入。屋内の場合、木造か鉄筋コンクリート造か建物の種類も明記した。3月26日〜7月11日の分は居住地と、定期的な外出先、1日の平均的な屋外と屋内滞在時間を記述する。この記録を基に、文部科学省のモニタリングデータとSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)から再現した各地の時系列の空間線量率を使って、外部被曝線量を計算した。子どもの方が放射線への感受性が高く、年齢や建物の種類も考慮した。(林義則、大岩ゆり)朝日新聞12月9日
- 「子供達を守るため女達は立ち上がり、そして座り込む!」
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2011.11.14 Mondayお友だちのシンガー・ソングライター石橋和子さんが、福島のお母さんたちによる行動を、リポートしてくださいました。おいらは宮城県に行きっぱなしですが、福島の被爆の問題は一桁ちがう危機、ある意味、手の施しようもないような・・。
人智を超える放射能の恐怖と戦うことになる住民のみなさんの、その憤りと絶望感、孤立感は想像するにあまりあります。イージーライダー「子供達を守るため女達は立ち上がり、そして座り込む!」石橋ヴィヴィアン和子以前ブログでも紹介したことがありましたが、10月27日から11月5日まで、子供達を放射能から守るために経済産業省前に抗議の座り込みをする福島のお母さん達に連動して、それを引き継ぐ形で全国のお母さん達も立ち上がり座り込むという行動に、参加してきました。
幸い私が参加した日は、この時期にしては暖かく、アスファルトの歩道に座り込みをしても冷えなくて助かりましたが、寒くてお天気の悪い日もあったから、毎日来られた方は大変だったことでしょう。この日は小さな折り畳み椅子を持っていったのですが、並んでいた空いているパイプ椅子をお借りすることができ、快適でした。歩道脇の低い植え込みには、お母さん達が作った抗議のメッセージが入ったパッチワークが広げられていて、色とりどりの布に、カラーペンや糸などでカラフルにメッセージが書いてありました。座っている間、次々と経産省のビルに向かって訴えかけるリレー・トークは、それぞれ胸に迫るものがありました。6万人の脱原発集会のスピーチで強く印象に残っていた武藤頼子さんも、87歳になるお母様と一緒に福島から来られたとのことで、今度は目の前でスピーチを聞くことができました。他にも、文科省に20ミリシーべルト問題で直談判した佐藤さんや郡山市や三春町から来られたお母さん達の、苦しみを搾り出すような声で話される内容は、住んでいる人でなければわからない辛さが生々しく感じられて、今すぐ何とかしなければと胸が痛みました。息をするにも 水を飲むにも、ちょっと外に出るにも、四六時中放射能の事を考えなくてはならない場所に、人を住まわせていて良い筈がありません。今でも、毎日154テラベクレルの放射能が放出されているということです。(*「地球の子供新聞」から。テラは1兆倍のこと。)放射能以外で気になったのは、立場や考え方の違う住民同士の複雑な人間関係です。不安を感じながらも 黙って自治体や学校の上部が決めた事に従順に従うのか、不安の原因を解消するために 真実と説明を求め正当に話し合いを要求するのか。難しい問題だとしても、被爆という同じ悲しみを背負った人同士が対立するのは、そうすることで、本当に責任を負わなくてはいけない人達が、ほくそ笑みながら隠れてしまう事になりはしないでしょうか。
この図式は、被災地だけでなく、東京でも 日本全体でも 世界全体でも同じ事があるように思えるのは私だけでしょうか。自分の頭で考え、自分の責任で行動する事は、なんて勇気がいる事なんだろうと思いますが、それが出来たとしても、決して誰かに強制するものであってはいけないのでしょうね。この日に出会った方達は、その辺のバランスを心得ているようで、個人としての意思が強く感じられる素敵な面構えの方達でした。「座り込み」自体はとても明るい雰囲気で、タフでパワフルなお母さん達の心意気が伝わってきました。夕方、バスに乗って福島に帰る女性達を見送ったのですが、お互いに元気な声を掛け合って励まし合うものの、帰る人達の気持ちを思うと、胸が締め付けられるようでした。彼女達は、自分達の帰っていく場所がどれほど危険なところか知っていて、帰らなくてはいけないのですから。しかもそこには、子供達が待っているのです。少しシンミリしかけた時、87歳の上品な老婦人が、乗り込んだバスの窓を開けて、ゆっくりと手を振り始めました。「お疲れ様でした。ありがとうございました。」と頭を下げながら、静かに笑ってくれました。ハッとするほど美しく、なんて堂々としているのでしょう。私は思わず、「どうぞ、ずっとお元気で。」と声を掛けていました。彼女達は、かの地へ帰って行くというのに、黙って見送るしかない私は、いったいこれから何をすればよいのか、こらえきれないものがありました。マイクロバスは福島まで数時間、せめてホンのひと時、彼女達の心と体を休ませてあげられる場所であることを願わずにいられません。
- 南相馬の自治会が自力で詳細な放射線量地図
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2011.09.18 Sunday福島原発:南相馬の自治会が自力で詳細な放射線量地図南相馬市の住民自治組織「太田地区災害復興会議」が作った地区内の線量地図=日下部聡撮影東京電力福島第1原発に近い福島県南相馬市の自治会が、地区内外の人的ネットワークを駆使し、政府作製のものより細かい200メートルごとの線量地図を作った。「行政ばかりに頼ってはいられない」と道路の除染も実施。普通の暮らしを取り戻そうという切実な思いが、住民たちを突き動かした。南相馬市の農村地域にある原町区太田地区は13区に分かれており、南側の一部は原発事故の警戒区域(半径20キロ圏)内だ。それ以外の場所も緊急時避難準備区域になっており、子供のいる家庭を中心に避難している人も少なくない。区長会を中心に小中学校PTA、老人会、消防団などの世話役約40人が集まって「太田地区災害復興会議」を結成したのは7月1日。「できることから自分たちでやろうということになった。行政に文句を言っているだけでは、何も進まないですから」と、会長の渡部紀佐夫さん(70)=農業=は言う。専門家を招いて放射線の性質や測定器の使い方、除染の方法などを学ぶ講習会を開き、地区内を200メートル四方の網目(メッシュ)に区切った線量地図を作製することを決めた。7月13〜30日、住民2〜3人が1組となって計470カ所を回った。GPS(全地球測位システム)と4台の測定器を使い、地点ごとに地面から1センチと1メートルの高さで線量を正確に測った。地図は今月2日に完成。政府が警戒区域と計画的避難区域で作製した最も詳細な地図(500メートルメッシュ)より倍以上細かい。地区内は毎時0.25〜4.62マイクロシーベルトだったが、西側の山林以外は比較的低いことが分かった。地図は15日に地区内の全1000世帯に配った。今後も継続的に測定していくという。8月28日には自治会のメンバー90人が参加して地区内の主要道の歩道約800メートルの除染も行った。測定器や除染用の高圧洗浄機は上限50万円とされている市の補助を活用した。線量測定の指導やデータの地図化は、地区選出の市議(54)の親類のつてで東京の研究機関や業者が無償で協力してくれた。もともと太田地区は地域の結びつきが強い。だが、原発事故で子供の姿が消えてしまった。小中学校は休校したままだ。「実にわびしいもんだね。とにかく元通りの生活を取り戻したい。それだけですよ」と渡部さん。「国は54基もの原発を造っておいて、万一の時の対策はゼロだったということが、よく分かった」と話した。【日下部聡】毎日新聞 2011年9月17日 12時03分(最終更新 9月17日 13時23分)
- 「ベント不成功なら致死量の被曝」保安院、震災翌日想定
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2011.09.15 Thursday「ベント不成功なら致死量の被曝」保安院、震災翌日想定「数シーベルト以上の被ばく」を想定した原子力安全・保安院の内部文書のコピー東京電力福島第一原発1号機の格納容器の圧力を下げることができなかった場合に発生が想定される事象として、原子力安全・保安院が、敷地境界での被曝(ひばく)線量が「数シーベルト以上」に達すると見込んでいたことが、情報公開法に基づき開示された同院の内部文書で分かった。7シーベルトが全身被曝の致死量と言われており、敷地内では人が生きていられない状況になる可能性が政府部内で検討されていたことになる。この文書は「1号機において耐圧ベントができない場合に想定される事象について(案)」と題され、保安院が3月12日午後1時ごろに作成した。当時、1号機の格納容器の内部の圧力は750キロパスカルで、設計上の使用圧力を大きく超えていた。格納容器の破裂を防ぐため、東電は午前中から、内部のガスを外部に放出する「ベント」と呼ばれる作業を始めたが、弁を開けるのに手間取っていた。保安院の文書は「ベントができない状態が継続する場合、約10時間後(午後11時)に大量の放射性物質が放出される」「気象条件によっては、発電所から3〜5キロの範囲において著しい公衆被ばくのおそれがある」としている。(朝日新聞9月13日)
- 福島県民「移住したい」34%
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2011.09.11 Sunday福島県民「移住したい」34% 被災3県世論調査県外などに移り住みたいか…もとのような暮らしができるのは…東日本大震災の発生から半年を迎えるのに合わせ、朝日新聞社は岩手、宮城、福島の3県で各県のテレビ朝日系放送局と共同世論調査(電話)を行い、震災に対する見方や放射性物質への不安などを探った。このうち福島の調査では、放射性物質への不安から、3人に1人が「できれば移り住みたい」と答えた。 原発事故による放射性物質への不安では「あなたや家族に与える影響について、どの程度不安を感じているか」と4択で尋ねた。「大いに感じている」は岩手32%、宮城34%に対して福島は54%に上る。 福島県民だけに「放射性物質による被害を避けるため、県外や放射線量の少ない地域へ、できれば移り住みたいか」と聞くと、34%が「移り住みたい」と回答。中学生以下の子供がいる家庭では51%に及ぶ。(朝日新聞9月10日)
- 「フクシマの情報公開怠り住民被曝」
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2011.08.10 Wednesday「フクシマの情報公開怠り住民被曝」 NYタイムズ報道東京電力福島第一原発の事故をめぐり、米ニューヨーク・タイムズ紙は9日付紙面で、日本政府が緊急時迅速放射能影響予測(SPEEDI)のデータを事故直後に公表することを怠ったために、福島県浪江町など原発周辺自治体の住民らが被曝(ひばく)している可能性が高いと伝えた。長文の記事は、菅政権との対立で4月に内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘・東大大学院教授が、事故直後にSPEEDIのデータ公表を政府に進言したが、避難コストがかさむことを恐れた政府が公表を避けたと指摘。「原発事故の規模や健康被害のリスクを過小評価しようとする政府に対し、社会の怒りが増大している」と論評した。そのほか、原子炉のメルトダウンを裏付けるデータ公表の遅れや、校庭での放射性物質の基準値をめぐるぶれなども問題視した。(ニューヨーク=田中光)朝日新聞8月10日
- 「原発の発電原価を公表しない経産省・電力業界」
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2011.07.28 Thursdayフォーサイト POLITICS塩谷喜雄 Shioya Yoshio科学ジャーナリスト爆発後の福島第1原発3号機原子炉建屋[東京電力提供]=2011年3月21日【時事通信社】この国では、「安定した復興」とは元の黙阿弥のことを指すらしい。政治家たちの錯乱ぶりに隠れて、原発と電力の地域独占は何の検証も経ずに、今まで通りそっくり継続される気配が濃厚である。福島の事故が打ち砕いた原発安全神話に代わって、経済産業省と電力会社が流布するのはもっぱら原発「安価」神話だ。火力や水力に比べ原発の発電原価が断然安いという、架空の、妄想に近い数字が幅を利かせている。評価も監視も放棄した新聞・テレビは、今度も懲りずに虚構の安価神話をただ丸呑みして、確かな事実であるかのように伝え、社会を欺き続けている。日本経済が沈没するとすれば、その原因は原発停止による電力不足や料金高騰などではなく、行政と業界が一体となった利権と強欲体質の温存が主因であろう。
- 「上関原発の予定地、津波被害の可能性」
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2011.07.27 Wednesday上関原発予定地、津波被害の可能性 原子力委で指摘今後の原子力政策について話し合う内閣府の原子力委員会で26日、河田恵昭・関西大学教授が東日本大震災の教訓をふまえた津波対策の必要性を訴えた。南海地震で発生する津波が瀬戸内海に入り、中国電力上関原子力発電所(山口県)の建設予定地にも影響が出る可能性などを指摘した。南海地震は紀伊半島から四国沖の海底を震源として周期的に起きると考えられる大地震。3月の東日本大震災は予想と異なる震源域で起きたことから、南海地震も「震源域を見直さなくてはいけない」と話し、想定震源域を西側に広げる必要性を訴えた。その場合、津波が豊後水道から瀬戸内海に入り、上関原発の予定地に影響が及ぶ可能性もあるという。津波は通常、海底が震源の場合に発生するが、山崩れなどでも起きる可能性がある。約400年前の古文書に、内陸を震源域とする地震で福井県・若狭湾に津波が起きた記述があることも指摘。若狭湾には原発が14基もあり、「最悪のシナリオを前提にした考えが必要だ」と訴えた。(朝日新聞7月26日)
- 「原子力委の設置へ、調査報告書を偽装」
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2011.07.18 Monday原子力委の設置、裏に偽装報告 55年 初の海外調査団原発導入初期の流れ政府が1955年、原発を導入するために初めて派遣した海外調査団の報告書が、原子力委員会の設置を推進する内容に偽装されていたことがわかった。作成に関与した旧通商産業省の初代原子力課長(故人)の偽装を認める証言が、文部科学省の内部文書に記録されていた。文書は85〜94年、日本の原子力行政の重鎮で、原子力局長や原子力委員を務めた故・島村武久氏が、原子力政策にかかわった政治家や官僚、学者など33人を講師として招いた「島村研究会」の録音記録。A4判620ページにわたって文書化され、文科省が製本したものを朝日新聞が入手した。政府は54年12月、初めての原子力予算で、物理学者を団長とする15人の「原子力平和的利用海外調査団」を派遣。4班に分かれて米英仏やインド、スウェーデン、デンマークなど14カ国を巡り、原子力行政の組織体制を調べた。調査団は帰国後、原子力を推進・開発する政府の機関について「各国の統括機関はほとんどすべて委員会の形をとり多頭。各方面の意見を十分に入れるためと思われる」と報告書に明記して、集団指導体制による委員会の設置を日本でも急ぐよう提言した。事務局として作成にかかわった旧通産省工業技術院原子力課の初代課長の故・堀純郎氏は88年、「島村研究会」に招かれ、「(トップに)委員会をつくっているのは米国だけで、ほかにはどこもない」と指摘。フランスは「役所」、イギリスは「公社」だったにもかかわらず、「(諸外国は)どこでも委員会だ。だから日本でも委員会を作らなくちゃいかんと強調した」と偽装を証言した。さらに「若い事務官がこんなうそ書けるかと憤慨した」とも証言し、のちに資源エネルギー庁次長となる豊永恵哉氏が偽装に抵抗したことを明らかにした。豊永氏は朝日新聞の取材に「委員会は米国にしかなく、責任があいまいになり、日本になじまないと思った。むしろしっかりした行政組織を作るべきだと上司に進言した」と話す。政府は報告書をもとに原子力委員会を56年に発足させ、初代委員長に正力松太郎国務相、委員にノーベル物理学賞の湯川秀樹氏、経団連会長の石川一郎氏らを起用。著名人を集めた委員会を設け、米国の水爆実験で「第五福竜丸」が被曝(ひばく)した事件による原子力への世論の逆風を弱める狙いがあったとみられる。政府が公表した報告書の偽装は、原発導入期からの隠蔽(いんぺい)体質を示すものだ。(山岸一生)